恵佑会第2病院がみんなの健康の悩みを解決します
毎年、冬になると猛威を振い始めるインフルエンザ。インフルエンザの症状といえば、高熱を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、高熱の出ない「隠れインフル」と呼ばれる症状が出ることも珍しくありません。
この隠れインフルは、症状が弱く風邪と区別がつきにくいのが厄介な点。自分でも気づかないうちに、周囲へ移したり重症化したりすることもあるのです。
今回は、そんな隠れインフルの特徴や対応策について解説していきます。
インフルエンザといえば、高熱や寒気、全身の関節痛といった症状が一般的です。症状は重いことが多く、そのためすぐに「これは普通の風邪ではない」と気づく人が大半でしょう。
ただ実際には、すべてのインフルエンザが重い症状をもたらすわけではありません。風邪とほぼ変わらないケースもあり、なかには自分がインフルエンザに感染したことに気づかない人もいるほど。
こういった風邪と似たインフルエンザのことを「隠れインフル」と言います。
隠れインフルは、自分でも気づかないうちに周囲に菌を移してしまうため注意が必要。早い段階で自分がインフルエンザに罹患していることに気づき、適切な対処をすることが重要になってくるのです。
隠れインフルの特徴として、通常のインフルエンザと比べて症状が軽い点が挙げられます。
38度以上の高熱が出るのが一般的なインフルエンザのイメージですが、隠れインフルは微熱、あるいは平熱の場合がほとんど。激しい咳や鼻水に苦しむこともなく、風邪や花粉症と見分けがつかないことも珍しくありません。
そのため、ただの風邪だと勘違いをし放置してしまう人もいるのです。
放置すると何が起こるかというと、市販薬で治そうとしているうちに重症化してしまう危険性が高まります。さらに気づかないまま会社や学校へ通い、いつの間にか周囲に菌を移してしまうことも。
周囲への感染を広げないためにも「少しでもおかしい」と感じたら、早めに病院へ行くことが大切です。
「少し体の調子が悪いけれど、これってもしかしてインフルエンザ?」と、感染の可能性を頭に思い浮かべる人は多くいます。しかしインフルエンザを疑うものの、症状がそこまで重くないため実際は放置してしまう人がほとんどです。
そこでインフルエンザの感染を疑ったときに、初めにすべきことを3つお伝えします。
まだ風邪とインフルエンザの区別がついていない段階では、すぐには市販薬を飲まないようにしてください。
市販薬には熱を抑える効果がありますが、インフルエンザの菌を押さえ込むことはできません。そのため市販薬で解熱させてしまった結果、より一層インフルエンザの感染に気づくのが遅くなってしまうのです。
「もしかして自分はインフルエンザかも?」と感じた時は、すぐに市販薬を飲むことはせず少し様子を見るようにしましょう。
風邪であろうがインフルエンザであろうが、体の調子が悪い時は十分な水分と栄養分の補給が大切です。
特にインフルエンザであった場合は、体への負担が大きくいつの間にか衰弱していることがあります。イオン飲料水や経口補水液など、脱水を防ぐ飲料水を積極的に摂取するようにしましょう。
また胃腸の調子が悪い時は、消化の悪い食材や刺激物は避けることをおすすめします。お粥やうどんなど消化の良い食事を取りつつ、体力が落ちないよう維持することが大切です。
なかなか体の調子が回復しなかったり、症状が悪化していたりする場合は、速やかに病院で診察をしてもらいましょう。
基本的にインフルエンザは、発症から6時間以上48時間以内であれば抗インフルエンザ薬の効果が期待できます。隠れインフルの場合は発見が遅れてしまう可能性も高いですが、感染の拡大を広げない意味でも医師からの診断は重要です。
インフルエンザの検査は、鼻や喉の粘膜を綿棒でこするだけで30分程度で結果が出ます。
インフルエンザに感染してしまった際には、病院で検査をした後、十分な休息をとることが大切です。
ただ、それよりも大切なことが、そもそもインフルエンザに罹る確率を下げておくということでしょう。本格的にインフルエンザが流行する前に、自分自身で出来る限り予防をしておくことが重要なのです。
次では、簡単にできるインフルエンザの予防策を2つ紹介します。
最も効果がある方法が、インフルエンザワクチンの予防接種です。
厚生労働省のデータによると、インフルエンザワクチンの有効率は60%であると報告されています。ワクチンを接種すれば必ずインフルエンザを避けられるわけではありませんが、感染の確率を大きく下げることができるのです。
またワクチンは感染の確率を下げるだけでなく、感染後の重症化を避ける可能性が上がります。最悪の場合、インフルエンザは命にも関わりる病気。感染した際の被害を最小に抑えるためにも、ワクチンの予防接種は検討すべきでしょう。
外出後の手洗いうがいは、体についたインフルエンザ菌を除去する効果的な手段です。常日頃から手洗いうがいを心がけている人でも、インフルエンザの流行シーズンはさらに徹底することをおすすめします。
また、室内の湿度を50%から60%に保つことも効果的な方法です。空気が乾燥していると、インフルエンザに限らずあらゆる菌に感染しやすくなります。そのため加湿器を使ったり、室内に濡れたタオルを干したりといった方法で、湿度適正に保つようにするのが良いでしょう。
インフルエンザの診断が下された場合、体の調子が回復したからといってすぐに会社や学校へ行って良いとは限りません。基本的には熱が下がってから2日目まで、発熱や咳などの症状が始まった翌日から7日目まで外出は控えたほうが良いとされています。
ただ隠れインフルの場合、症状が曖昧なためいつまで自宅療養すべきかわからない人もいるでしょう。そういった場合は、病院の医師に自宅療養期間を確認するのがおすすめです。
「熱がないから、きっとインフルエンザじゃないはず」と考えてしまうのは仕方がないこと。ただ実際には、隠れインフルと呼ばれる風邪に似たインフルエンザが存在するため注意は必要です。風邪かインフルかわからず不安な時は、まずは病院へ受診して検査をしてもらうと良いでしょう。
そして何よりも大切なのは、インフルエンザが流行する前に自主的な予防をするということ。ワクチンの予防接種や健康管理など、これからのインフルエンザ流行シーズンに備えた準備をしていきましょう。
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